折原一「倒錯の帰結」

倒錯の帰結 (講談社文庫)

倒錯の帰結 (講談社文庫)

倒錯シリーズ完結編。
今までの登場人物が出てきたり。
前2作を読んでないと、イマイチ分かりにくいかも。
この本、文庫なのだが、前からも後ろからも読めるという変わった趣向が凝らされている。
前から読むと「首吊り島」で、後ろから読むと「監禁者」。
後ろから読む場合は、上下が逆さまになる。
電車のなかとかで後ろから読んでると、とても変な人に誤解されてしまうかも・・・。


まぁそれはともかく。
当然、収録されている2作は関連があって。
今までの倒錯シリーズと比べると、ことさらフクザツに。
考えながら読んでも、こんがらがるだけw
でもそのこんがらがる感覚が楽しかったりするわけで・・・w
叙述トリックって、面白いなぁと改めて感じた。


叙述トリックにこだわる作者の自嘲っぽい表現があったりするし、今までの古い文体も幾分読みやすくなってはいる。
しかし、うーん、展開が唐突というか、2時間ドラマ的というか。
もちろん、それはそれで需要があるのかもしれんけれど。
楽しんで読めたんだけれど、俺には波長が合ってないのかなーという感じはした。