伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」

アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)

アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)

王道ミステリ、って感じ。
前半に散りばめられた多数の伏線を綺麗に回収して、すっきりとオトす。
うーん、王道。
伊坂作品の中では結構好きかも。自分的には傑作だと思うなぁ。自分的に。





普通の文章で読みやすいんだけど、希に鋭いとゆーか、ピクッっと反応しちゃうような表現があって、読んでて面白い。

夜の暗さは人の感覚をおかしくする。叔母がこう言っていた気がする。「夜は人を残酷にするし、正直にもするし、気障にもする。軽率にするのよねぇ」

美人の敵は時間だ、と聞いたことがある。年月が経つにつれて、自分の美貌が劣化していくことに、立ち向かわなくてはいけないからだ。

僕も、若者が一番恐れているものくらいは知っている。だから、「ダサイと思うよ、それ」と言ってみた。

美人に限らず、若さの敵は時間か。いや、むしろ人間の敵は老いか・・・?



それはともかく、伊坂幸太郎の本には別の物語に出てきた人物が、読んだ人には分かる形で出てくることが多い。
こーゆーニヤリとしちゃう演出は好きだ。