森博嗣「黒猫の三角」

黒猫の三角 (講談社文庫)

黒猫の三角 (講談社文庫)

犀川&萌絵のS&Mシリーズを読破したので、次はVシリーズを読むことに。
このVシリーズの主要登場人物は保呂草潤平、瀬在丸紅子、小鳥遊練無、香具山紫子の4人。
そのうちの、小鳥遊練無の物語が、S&Mシリーズも収録されている短編集「地球儀のスライス」に収録されてる。
もちろん、「地球儀のスライス」を読んだときはVシリーズを読んでなかったので、この「黒猫の三角」で小鳥遊練無が登場したときは「!?」って感じだったなぁ。
しっかし、西之園萌絵よりも遙かにパワーアップした特徴的な名前の登場人物には驚きを通り越して可笑しくなる。
キャラクタも、S&Mシリーズ後半で出てきたラヴちゃんに勝るとも劣らない濃さで、なんてゆーか、森ワールド全開!って感じか?


今回の副題は「Delta in the Darkness」で、なんで黒猫の〜になるのか不思議だったけど、本編を読むとなるほどなるほどって感じ。
トリックは、シリーズの初めだからこそ活きるトリックという感じかw
でも、この手のパターンは東野圭吾名探偵の掟」で読んだなぁ(苦笑
そんなわけで、あんま驚かなかった。
動機というか、後半は数学的なお話なんかもでてきたりして。
こじつけっぽいけど、読んでて面白いから、ヨシw

しっかし、初めの殺人事件のトリックは、どうよ?みたいな感じは否めないなぁ。
少し納得いかないきもするなぁ。


S&Mシリーズのようなぐいぐい感は無いものの(と個人的には思った)、Vシリーズ10冊読んでみるか、と思わせるには充分な魅力があった一冊。