東野圭吾「殺人の門」

殺人の門

殺人の門

感じ的には、東野圭吾の「さまよう刃」と「白夜行」とを足して割った感じかな。

主人公の小さい頃のエピソードから始まって、いくつもの出来事が起こる中、次第にある人間とのかかわりに疑問を抱いてゆく。
その彼を大人になった主人公は殺そうと何度も決意し、そして・・・。




話は主人公の一人称視点でのみ進んでゆく。
東野圭吾独特の話の展開と巧妙に張り巡らされた伏線とその回収とつじつま。
白夜行ほどとは言わないが、かなり面白かった。

あと、東野圭吾の自伝「僕らはあの頃アホでした」であったエピソードなんかが使われていて、
時代背景や世界観を重厚にする点で、作者の経験って大きく役に立つんだなーなんて思った。