恩田陸「図書室の海」

図書室の海 (新潮文庫)

図書室の海 (新潮文庫)

読んだのは2度目。
初めて読んだ頃には「夜のピクニック」は無かったなぁ、なーんてしみじみと考えたり。

そう、この短編集には、恩田陸の遊び心?が詰まってる。

本屋大賞を受賞した「夜のピクニック」の前日の話なんかも既にこの本には収録されているし。


六番目の小夜子」の登場人物・秋のお姉さん・夏の話なんかも入ってる。もちろん小夜子がらみで。
ちなみに秋のお兄さん春の話は「puzzle」で、秋のお父さん関根多佳雄の話は「象と耳鳴り」で展開されてる。

「麦の海に沈む果実」「黄昏の百合の骨」の理瀬の子供の頃の話なんかも密かに収録されてたりして。
黄昏で出てきた理瀬のお兄さんは黄昏が初登場ってワケでもなかったりする、なーんて相当なファンじゃないと
気が付かないだろーなぁw
この子供の頃の話に百合を思わせる記述があれば伏線は完璧だったんだろーけど、流石にそんな昔から、伏線を張るのは無理か。


そして「イサオ・オリヴァンを探して」という短編。
これは「ピクニックの準備」と同様、これから書かれるであろう物語の序章っぽい!
(もしこれが序章であるのならば)既に序章だけでも壮大な物語を感じる。
ぜひ続きを書いてくれないかなぁ・・・。