伊坂幸太郎「砂漠」

砂漠

砂漠

長編書き下ろし、かな?
春夏秋冬の季節ごとに、大学に入学したての主人公と仲間達とのエピソードを楽しむ本。
秀逸。
これはマジで面白かった。
今、大学院生なわけだけど。
大学生とも社会人とも違う状態だからかも知れないけど。
すごく、リアル。
そして面白い。
もちろん、小説だから、非現実的な展開じゃないと面白くないんだけど、それでも、リアルってゆーか。
理想、に近いか?
俺も、これに近い大学時代があって。
きっと作者もこんなん大学時代を送ったのかも知れない。
舞台は仙台だし。(作者の大学が仙台)


青春だよなぁ。
本当に面白かった。
大学生にこそ読んでもらいたい本だ。
きっと楽しめるはず。共感もできるはず。


相変わらずの伊坂節が炸裂な会話に展開に雰囲気。
他の作品の登場人物の影をちらつかせたりしたりするのも相変わらず。
小気味よい伏線。
上手いなぁ。
読んでて、飽きない。


以下引用。

「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ」と強く言い切った。

「それはあれですよ、俺の好きな、サン=テグジュペリの本に出てきますよ」西嶋が指を立てた。
何だよ、真似かよー、と鳥井は言って、ぎゃはは、と笑い、「真似じゃない、引用だ」と僕は学長を弁護する。「でも、良い言葉だったね」と南が相変わらず、朗らかな言い方をすると、東堂が、「感動した」とまるで感動してない口ぶりで言った。

終わり。


伊坂幸太郎って、凄いなぁ。
本当に面白い。