森博嗣「そして二人だけになった」

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)


シリーズ外の作品。
巻末をみると、どうやらVシリーズの途中で出されたようだ。
なかなか、読み応えがあって、良かった。
どうしてなのか分からないけれど、すべてがFになるに近いような感じを受けた。


タイトルからも明らかなように最後に2人が残るのだが・・・。

本当に、ここまでくると、いったい現実とは何か、という問いを発せずにはいられない。

という文があるのだが、まさにこれが読み終わった時の感覚だ。
結局のトコロ、物語のオチとしては読みながら考えたものだったのだけど、
そうじゃないオチでも通用する緻密さ・伏線の描写があり、最後の山場でそれらが非常に活きていた。
きっと読者のそーゆー反応をも計算して書いてるんだろう。
やっぱり、森博嗣のミステリは面白い。


タイトルはアガサ・クリスティそして誰もいなくなった」のオマージュというか、流用かな。
内容的には関連はあまりない、と思う。
でもあの登場人物はそして誰も〜を意識してのことなのかなぁ。
深読みしすぎか。