森博嗣「幻惑の死と使途」

幻惑の死と使途 (講談社文庫)

うまく「死と」「使途」がかかりつつ、このタイトルが小説の内容を表しているS&Mシリーズ第6弾。
この本のトリックは、完全にヤラレタなぁ。
ミスディレクションにまんまとハマったというか・・・完全に意表を突かれた。
しかし、なるほど、犯人とトリックを解説されると唸らずにはえられない。
面白いわぁ・・・コレ。
やめられん。

ちなみに、この「幻惑の死と使途」は奇数章しかない。
偶数章は次の「夏のレプリカ」に。
といっても、奇数章・偶数章だけでそれぞれひとつの物語なので、２つなくても問題は無い。
時系列順に読みたいなら、章数通りに読めばいいんだけど、
そうすると２つの事件がぶつ切りでごちゃごちゃになりそうな気がしたので、１章２章と読んでみた結果、奇数だけ読み進めることに。

といっても、実際に事件として起こるのは「夏のレプリカ」の方が僅かに早いのだけど、奇数章が「幻惑の死と使途」
に使われているのは、「奇」という漢字を使いたかったからなのかな。
マジシャンがたくさん出てくる話なので偶よりも奇のが合ってるし。