美学って何?

Cellの発表後に,「内蔵するSPEの数を8個にしたのは,2のべき乗にこだわるという美学から」と語っていました。そのSPEを7個しか動作しないことに,「これは美学に反するんじゃないですか」と問いかけたところ,「これこそ究極の美学でしょ」と切り替えされました。1個のSPEをリダンダンシー(冗長分)とみなすことで,歩留まりが大幅に向上するというエンジニアリングのセンスを「究極の美学」と表現したわけです。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL_LEAF/20050617/105884/


は?
と思った。
正直、まったく理解できない。
究極の美学て何?


CellのSPEの数を8個にこだわること、それを美学というのはまだ理解できる。
個人的には、SPEを7個にして8個のマルチコアチップにまとめるのも綺麗かとおもうけど。
チップのサイズ、消費電力、8個にすることでの性能向上、数々のトレードオフを考慮して8個に落ち着いたのだろう。
その結果を「美学」と称するのは、まぁ分かる。


だが。
歩留まりの向上のために7つしか動作しないことを「究極の美学」と表現するのは、どうかと思う。
どのへんが究極なんだろう?
バイス分野の専攻で、まだ色々と学んでいる途中だが、歩留まりの向上の意義は普通の人より分かってるつもりだ。
冗長分を取る、ってのはエンジニアリングのセンスなのか?
常套手段って感じじゃないのか?
ってゆーか2のべき乗の8個を美学とするなら、設計段階で9個搭載して、完成形を8個にしろよ・・・。
それこそ「美学」と称するにふさわしいと思うけれど。


なんでもかんでも自分の行動を「美学」という言葉を使って煙に巻くのは、どうなんだろう。
煙に巻いてるつもりはないのかもしれないけれど、少なくとも俺にはそう映る。


美学とか言ってないで、8個にすることで得られる強力なアドバンテージを分かりやすく説明出来ることこそがエンジニアリングのセンスなんじゃないかなー?

共同開発だけど、Cellはインテルなどの海外勢がひしめく半導体業界に一石を投じてくれるかと思ったけど、スポークスマンがコレじゃどんなにすごいの造ってもダメなんじゃないか、とすら思える。


美学、ねぇ・・・。